印象派の人々 ジュリー・マネの日記

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印象派の人々
ジュリー・マネの日記
ロザリンド・ドゥ・ボランド=ロバーツ
ジェーン・ロバーツ編
橋本克己 訳
中央公論社
1990年9月20日 初版発行

印象派の画家、ベルト・モリゾの娘、ジュリー・マネによる、1893年から、1899年までの日記。
表紙の若い女性がジェリーで、その前の年老いた女性がベルト・モリゾである。
モリゾはこのとき既に夫を亡くしている。そのショックもあり、彼女自身も翌年に亡くなってしまう。
今回のオルセー美術館展のポスターを飾った、モリゾの美しい姿と比較すると、寂寥の思いに捉われる。
日記の中では、ルノワールが一番よく出てくる。彼はジェリーにも優しく接してくれた。
また日記の時代は、ちょうどドレフェス事件が勃発している。
今となっては反ユダヤ主義による冤罪事件という見方だが、当時は見方が真っ二つに別れており、ジュリー自体は、周りの影響もあり、反ドレフェス派である。
もちろん彼女自身まだ若いこともあり、責める事は出来ないが、このような意見があったんだなということだけでも興味深い。