廃墟と遺跡のあいだ(ニューグレンジなど)

バスエーランのツアーに参加する。
中央バスステーションから、普通の大きさのバスで行く。運転手さんが説明役も兼ねている。今日は元気のいいおじさんだった。
この日は、ニューグレンジおよびボイン渓谷ツアーだ。
ダブリン市街を離れる。まず自動車道の途中で少し止まる。車外には出ず、窓から蟻塚のような形をした石積みの小さい遺跡を見る。
次にモナスターボイスに着く。ここには尖塔と墓標がある。そしていわゆるアイルランド十字架があり、その中では聖書の物語をあらわすレリーフがある。
そしてメリフォント修道院に寄る。発掘品がある小さな小屋を見学したあと、修道院跡を見る。かなり崩れているが、主な建物や回廊などの位置はわかる。女の子のグループが回廊跡のそばで並んで写真を撮っていた。
バスは今日のメイン、ニューグレンジに到着する。駐車場からまず新しいビジターセンターに立ち寄る。そこでしばらく待った後、ガイドに連れられて歩いてボイン川を渡り、小さなバスに乗り古墳に向かう。
小高い緑の丘の上に、白い石垣で支えられた、おわんを逆にしたような形の遺跡がある。これはケルト以前に在住していた民族が、約5000年ほど前に作ったものらしい。
狭い入り口から、中に入る。頭を打たないように気をつける。
奥にたどりつく。冬至の日の朝、ここまで太陽の日が届くようになっているらしい。しかし現在では、すこし冬至に比べて地軸がずれており、届かないという話を聞いたような気もするが、本当だろうか?
外に出て、ぐるりと遺跡を回る。石に刻まれた紋様がユニークだ。これも太陽と関係あるのだろうか?
丘の周りはゆるやかな平原が広がりたいへん気持ちがよい。
大自然の中にある、古代史の謎を振り返りながら、緑を抜けてダブリンに戻る。BGMとして、コアーズも演奏していた「Lough Eireann Shore」などのアイリッシュミュージックをかけてくれていた。