彷徨うダブリン市民(ダンレアりー)

パリから飛行機に乗りアイルランドに行く。
飛行機の中では、隣に座っていたアイルランド人の小さな男の子に話しかけられる。東洋人でも全然人見知りしないようだ。ポケモンなど日本のアニメもポピュラーなので、ぼくがその子の好きなキャラに似ており、親しみを感じてくれているのだろうかと思えるくらいだ。話がとぎれた間、目をつぶって休んでいると、「寝ているの?」と聞かれる。目をあけると、両手を合わせて顔の横につける、かわいらしい眠りのしぐさをしていた。
ダブリンの空港に着く。ここはEU内とはいえ、協定外のようで、ちゃんとパスポートに赤いインクの入国印を押してくれた。スタンプラリーではないが、押してくれると嬉しいものである。
空港内で両替をし市街向けの二階仕様のバスにのる。幸い二階の眺めのいい前の席が空いており、そこに座る。
ダブリン市内に入り、バスを降りてホテルを目指す。意外と人が、特に若い人が多いのに驚く。
予約していた川沿いのザ・フィッツモンズホテルに入る。チェックインするが、今日の晩の部屋は下のパブの音が入りうるさいとお姉さんに謝られた。前もって予約していたのでどうにかなったのではないか、と思うが仕方がない。翌日以降は部屋を変更するとのことだった。
市内の観光案内所に行く。バスエーランのツアーを申し込みをしたかったのだが、そこでは出来ず、結局直接中央バスステーションまで行く。しかしそこでも翌日はすでに一杯だとのこと。その次の日のツアーを予約しておく。
その晩は確かにうるさく、なかなか寝付けなかった。しかし遊びの旅行だと、翌日の朝ちゃんと起きるのが苦にならない。イングランドと違い、おいしくてボリュームのあるアイルランド風朝食を食べると元気になる。
どこに行こうかと思ったが、市街をうろつきながら、とりあえずコノリー駅まで行く。結局DARTに乗り、ダンレアりー方面に行くことにする。途中スタジアムのそばを通る。海が見えてくる。あまり天気が良くないのが残念だ。
ダンレアりーに着く。ここからウエールズのホーりーヘッド行きのフェリーがある。それに乗れないかと見てみるが、残念ながら間に合わなかった。仕方なく埠頭あたりをのんびりうろつく。
海沿いの散策道や、公園の植木市などをのぞきながらのんびり南に向かう。途中EU基金によりこの場所が整備されましたよ、という表示を見る。ちゃんとゲール語が上で、その下に英語で書いてある。
ジェームス・ジョイスタワーに着く。小さいがどっしりとした建物である。開館時の2時前に着く。しかし2時になっても閉まったままだ。他の観光客も待っている。20分後くらいに、やっと係員が車に乗ってやってきた。
一階にはあのマティスが挿絵を書いたジョイスの本や、日本語の本もあった。日本語のちらしもあったのでもらっておいた。それによると、ここは1804年、イギリス軍がナポレオンの侵略を恐れ建てたものだとのこと。その後住居となりジョイスはここに客人として招かれるが、銃発射事件があり、彼はここを離れた。その後1962年にジョイス記念館になったとのこと。
海辺から、もよりのDARTの駅に行き、ダブリンに戻る。