冬の柔らかな眺め(ブールジュの大聖堂より)

昼食を食べ終わり、再び大聖堂まで戻り、中に入る。
この日は曇っていたので、中のステンドクラスがきれいかったという記憶は無い。
この大聖堂の片方の搭は上に登れるようになっている。
とびらを開けてもらい、らせん階段をひたすら登っていく。他の人はいなかった。
搭の屋上に出る。その場全体が展望台のようになっている。そこには小さな風見鶏のようなものしかない。手すりもそんなに高くない。360度の眺望が広がる。
黒っぽい屋根が広がる。
家並の周りには山らしい山は無く、はるか彼方まで地平線が見える。
柔らかな、フランスの大地がそこにはあった。

大聖堂の搭を降りて、公園を横切る。
と、そこから、大通りが緩やかに下っており、目の前にパースペクティブが広がっていた。
この街は意外と丘の上にあったんだなと気づく。
そばの市役所の傍には、ローマ時代の小さい遺跡があった。
ニームやアルル、リヨンやヴィエンヌのように、ローマ劇場跡や円形闘技場などのわかりやすい遺跡こそないものの、ブールジュもフランスがガリアと呼ばれた時からの街だったのである。
丘の上という地形も街として有用だったらしい。
とりあえず、かのカエサル作「ガリア戦記」をひも解いてみると・・・。