世界遺産のカテドラル(ブールジュへ)

冬のある日、パリからブールジュの日帰り旅行に行こうと思い立つ。
ベルギーに似た名前の名所があるが、それはブルージュと日本語では表記している様だ。
ブールジュを選んだのは、ここに日帰りでも行ける、世界遺産のカテドラルがある、という理由だけだった。
限られた期間で、行き先を選ぶ時、やはりユネスコ世界遺産という基準が重要になる。
前日、パリ市内の駅に行き、券売機でカルトブルーを使い往復チケットを買う。
禁煙の2等席で、席は窓際を指定した。

翌日、9時頃、オーステリッツ駅を発つ。
天気はあまりよくなかったが、時期的なものもあり、しょうがない。
途中、VIERZONという駅で乗り換える。
途中の情景はほとんど覚えていないが、なぜかこの知られていない街の小さな駅で乗り換えた後、車窓から見た景色は頭の中に浮かぶ。
今となっては、こういう何気ない、ささやかな記憶がいとおしくてしょうがない。あと電車での記憶では、パリに帰るとき、夕陽に当たる景色を見ながら、晩飯を何にしようか、などと考えている時のことが懐かしくなる。

2時間ほどでブールジュに着く。
駅からまっすぐ進み、途中小さな川を渡る。
まずは、お目当ての大聖堂、まで進んでいく。
最初にそれを見たい、ということもあるが、この近くに観光案内所が目当てでもある。
シーズンオフだと、日曜の場合特に、開いている時間が限られているからだ。
手持ちのガイドブックでは、10時から12時半のみ営業とあった。
まっすぐな道を抜けて、旧市街の曲がった道に入っていく。