
Ⅴ シベリア・極東の諸地域
シベリア・極東は面積ではロシア連邦全体の4分の3を占めるが、人口では2割弱にすぎない。
第47章 チュメニ州はシベリアの門――石油・ガス産地の2つの自治管区は実質独立
第48章 ハンティ・マンシ自治管区はロシア随一の産油地域――先住民の社会にも変化
第49章 世界屈指の天然ガス産地 ヤマル・ネネツ自治管区――資源開発と先住民の生存
第50章 山と湖の景勝地 アルタイ共和国――ロシアらしからぬ山岳地帯
アルタイはアルタイ諸語(語)、アルタイ山脈、アルタイ人、アルタイ共和国・地方、など、多義的である。
第51章 かつては独立国だったトゥバ――トゥバ人がロシア人よりも多数を占める共和国
20世紀初め、あるイギリス人がトゥバをアジア大陸の中心と測定した。現在人クィズィルには「アジアの中心」を示すオベリスクが立つ。
第52章 遊牧民国家興亡の地 ハカス共和国――現代の主産業は水力発電とアルミ精錬
第53章 自然が人を呼び寄せるアルタイ地方――背後に山脈が控える豊かな大地
第54章 貴金属・非鉄金属で栄えるクラスノヤルスク地方――大河エニセイ流域に広がる広大な地域
クラスノヤルスク地方は、ロシアで2番目に面積が大きい地域である。
第55章 日本と歴史的関係の深いイルクーツク州――漂流民から木材企業まで
第56章 石炭産業の中心地 ケメロヴォ州――300年の歴史を誇るクズバス炭田
第57章 ソ連とともに生まれたノヴォシビルスク州――学術都市建設とその後
ノヴォシビルスクを直訳すると「新しいシベリア」という意味である。
第58章 かつてのシベリア「首都」 オムスク州――その歴史的変遷
第59章 教育と科学の街 トムスク州――最古であり、最先端
第60章 民族文化を維持しようとするブリヤート共和国――ロシアとアジアが交差する地
シベリア鉄道に乗っていて、アジア系の顔立ちが目立ち、どことなく土埃の匂いが強くなってきたら、ブリアート共和国の首都、ウランウデの駅に近づいた証拠だ。
第61章 サハ共和国は世界最大面積の地方行政単位――凍土とダイヤと民族文化の地
大河レナ川は革命家レーニンの名前の元にもなった。
第62章 地方政治を色濃く映すザバイカーリエ地方――宗教や歴史が凝縮する空間
日本との直接対峙を回避すべく、レーニンは緩衝地帯を設けようとした。その結果、極東共和国が1920年に誕生した。憲法も制定され、完全普通選挙や法の下での平等が謳われていた。だが1922年、日本軍の撤退後にその役割を終え、ソビエト・ロシアに吸収されて命脈が尽きた。
第63章 火山・漁業・原潜基地のカムチャッカ――人口希薄な戦略的要衝
第64章 変化を見せる沿海地方――プーチンのアジア戦略の最前線
第65章 潜在能力を秘めたハバロフスク地方――極東主都の座を失う
野党知事の誕生を受け、2018年12月にプーチン大統領は「首都」をウラジオストクに変更、これにより極東開発の拠点もシフトしたといえよう。
第66章 存在感を増すアムール州――中国、大豆、メガプロジェクト
川ひとつ隔てただけで、ヨーロッパ的世界とアジア的世界を分ける。
アムール州の中心都市のプラゴヴェチェンスクはアムール川を挟んで中国の黒龍江省の街・黒河と接する。川幅は500mもない。
2019年ブラゴヴェシチェンスク郊外に両岸を結ぶ橋の建設が完了した。しかし新型コロナのパンデミックで開通できず、2022年になってようやく開通した。
第67章 スターリン体制の暗部が刻まれたマガダン州――コルィマ街道の悲劇
コルィマ街道の建設のため、囚人や元囚人だけでなく、抑留された日本人の将兵や民間人が労働に従事させられ、多数の犠牲者が出た。
第68章 サハリン州をめぐるさまざまなボーダー――サハリン島とクリル諸島
サハリン人とクリル人がサハリン州を一つの空間として想像してはいない。完全自由な往来もできないサハリン島とクリル諸島の間には州民の意識の中にもボーダーが引かれている。
第69章 世界史が影を落とすユダヤ自治州――ソ連版「約束の地」
スターリン政権は1928年3月、ユダヤ人問題の解決策として他の民族と同様、ユダヤの自治地域を設け、農地開発を主目的に移住を促すビロビジャン計画を打ち出した。
第70章 最果てのチュクチ自治管区――生き残りをかけて
チュクチ自治管区は極めて厳しい自然条件を有していることで知られ、1年のうち10ヶ月が気象学上の冬である。