職業としての小説家 村上春樹 著

職業としての小説家 表紙

職業としての小説家

村上春樹 著 

スイッチ・パブリッシング 発行

2015年9月28日 第3刷発行

 

今まで村上さんのエッセイとかで断片的に語ってきた半生や思いなどが、系統立ててまとめられています。

 

第一回 小説家は寛容な人種なのか

 

第二回 小説家になった頃

暖房器具もほとんどなく、寒い夜には飼っていた何匹かの猫をしっかり抱いて寝るしかありませんでした。猫の方も結構必死にしがみついていました。

 

学生運動において、どれだけそこに正しいスローガンがあり、美しいメッセージがあっても、その正しさや美しさを支え切れるだけの魂の力が 、モラルの力がなければ全ては空虚の言葉の羅列にすぎない。

 

神宮球場から近いところに住んでいたので、(千駄ヶ谷鳩森八幡神社のそばです)

(前の日本将棋連盟の近くなのか)

 

アゴタ・クリストフというハンガリー人の作家

スイスに亡命し、フランス語で小説を書き始める。

彼女にとっての外国語を創作に用いることによって、彼女自身の新しい文体を生み出すことに成功した。

短い文章を組み合わせるリズムの良さ、回りくどくない率直な言葉遣い、思い入れのない的確な模写、それでいて何かとても大事なことが書かれることもなく、あえて奥に隠されているような謎めいた雰囲気

村上さんも英語で文章を書き、それを日本語に翻訳して、独自の文体を見つける。

 

第三回 文学賞について

「群像」の新人賞取った時は入場券をもらったようなもので嬉しかったが、芥川賞はどうでもよかった。

 

第四回 オリジナリティーについて

ポーランドの詩人ズビグニェフ・ヘルベルトは言っています。

「源泉にたどり着くには流れに逆らって泳がなければならない。流れに乗って下っていくのはゴミだけだ。」

 

第五回 さて、何を書けばいいのか?

ジェームズ・ジョイスは「イマジネーションとは記憶のことだ」と実に簡潔に言い切っています。そしてその通りだろうと僕も思います。

 

第六回 時間を味方につける 長編小説を書くこと

第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み

持続力を身につけるためにはどうすればいいのか?

基礎体力を身につけること。たくましくしぶといフィジカルな力を獲得すること。自分の体を味方につけること。

 

脳内にある海馬のニューロンが生まれる数は、有酸素運動を行うことによって飛躍的に増加する。

そして学習と記憶の能力が高められる。

ところがそうして新たに生まれたニューロンもそのままにしておくと、28時間後には何の役にも立つこともなく消滅していく。

 

アンソニー ・トロロープという19世紀のイギリスの作家

郵便局に勤めながら作家として成功を収める。

死後規則正しい日常生活の様子が自伝で公開されると、彼の人気や評価はすっかり地に落ちてしまった。

20世紀に入って再評価を受けたが。

作家に対して反俗的な理想像というのもある。

 

第八回 学校について

第九回 どんな人物を登場させようか?

第十回 誰のために書くのか?

第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア

ただ風向きを測り、確かな根拠もなく気楽に発言する人は世の中には 一定数いるんだと考えるしかありません。

 

ニューヨークを海外出版のハブに置いたことが、どうやらヨーロッパでの売り上げの伸びにつながったようでした。

 

アジア以外の国で、まず 火がついたのはロシアや東欧で、それが徐々に西進し、西洋に移っていったという印象があります。

歴史年表と付け合わせて振り返ると、その国の社会の基盤に何かしら大きな動揺(あるいは変容)があった後に そこで僕の本が広く読まれるようになる傾向が世界的に見られたという気がします。

共産主義体制の崩壊の後のロシアと東欧、そしてベルリンの壁崩壊後のドイツなど。

 

村上作品は今のところ50を超える言語に訳されています。

 

第十二回 物語のあるところ・河合隼雄先生の思い出