柳田国男 「炭焼日記」
柳田国男 著
人間の記録170
日本図書センター 発行
2005年2月25日 第1刷発行
昭和19年、20年の柳田国男による日記です。
昭和十九年
一月十三日
ロバートソン・スコット暁の夢に来る。彼八十一才、もう活きて居る筈なし。
(実際はスコットは97歳まで生きており、柳田と同年に亡くなった)
四月二日
折口君電話、四月五日の辻川行一行に加はるよし。
四月十七日
今野円輔君病後はじめて来る。著述目録を大成すべしといふ、無益として制止する。
十月十三日
リース(Rys)の「セルトのフォクロァ」上巻を貸す。
十一月十四日
東山魁夷君、週刊朝日の小川君と共に訪来る。美術学校にて映丘につき、
昭和二十年
八月十五日
十二時大詔出づ、感激不止。
八月二十七日
大西伍一君来、此人の郷里、揖保郡揖西村南山、姫路より五里という。
九月七日
小林秀雄君始めて来る。雑誌を創元社から出すから助力してくれといふ相談なり。
十一月三日
明治節、昔思ひ出づ。外へ出てみるに国旗を立てた家、まことに少なし。気がついてみると我家でも忘れてゐたようなり。心淋しくなる。