『カサブランカ』偶然が生んだ名画

カサブランカ』偶然が生んだ名画 表紙

カサブランカ』偶然が生んだ名画

瀬川裕司 著

平凡社 発行

2024年5月15日 初版第1刷

 

はじめに

カサブランカ』の全体像を把握でき、なぜ面白いかを深いレベルで理解でき、もう一度観なおしたくなるような一冊を書きたい。

 

第一章 『カサブランカ』の成立と反響

一、戯曲成立から撮影開始まで

二、決まらない脚本

三、撮影から公開まで

四、戦況が追い風に

1942年11月、カサブランカで連合軍による勝利

 

1943年1月14日から24日まで、カサブランカ会議が行われる。

映画『カサブランカ』はその最中の1月23日に全米公開される。

 

五、その後に起こったこと、後世への影響

石原裕次郎主演の『夜霧よ今夜も有難う』は『カサブランカ』をベースにした映画

 

第二章 主要関係者

主要関係者にはユダヤ系が多い

 

ジャズ歌手の夕樹れいのアルバムでは映画で使われたピアノを使ったと書かれているが、そもそも映画でのピアノの音色は、ワーナーの録音スタジオにあった別のピアノを演奏したもの。

 

第三章 原作『誰もがリックの店に来る』

 

第四章 すぐれた構成 工夫の数々

一、『カサブランカ』関連年表

1941年12月2~4日 映画『カサブランカ』で描かれる三日間

1941年12月7日 真珠湾攻撃

 

二、語られる物語

三、たくみにつくられた細部

カサブランカ』という物語、そして世界大戦の状況において、イタリアが脇役に過ぎないという扱いを受けていることは見逃しがたい。

 

カサブランカ』という映画はリックが孤立主義者でクールだったが、終盤には正義の勝利のために命すら投げ出すヒーローとしての姿をあらわにする。

そのプロセスを中心に描かれている。

 

Here's looking at you,kid

「君の瞳に乾杯」直訳では「君を見つめることに乾杯」

 

おわりに 『カサブランカ』の永遠の魅力

プロパガンダとメロドラマの融合がうまくなされている

・名台詞や名場面が多い。ベタな名台詞や名場面が、違和感や滑稽さをもたらすことなく、堂々と観客の胸を揺さぶっている。