フランスの珍名市町村協会

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フランスの珍名市町村協会の看板

 

フランスアンフォを見ていたら、フランスの珍名市町村の協会を取り扱っていました。
まずその協会名は
Association des communes de France aux noms burlesques et chantants
直訳すると、
「滑稽で歌うような名のフランス市町村協会」
となります。
なんかもう少し気のきいた訳が出来ないかと思いましたが

 

洒落名フランス市町村協会
珍名奇名フランス市町村協会
フランスキラキラネーム市町村協会

 

など考えましたが、どうもしっくりきません。

 

訳はおいといて、なぜこのような協会ができたかというと、やはり一種の町おこし村おこしで、おらが村の建築、歴史、グルメなどの地域遺産財産を珍名を利用してみんなで広めたい、という狙いがありそうです。
まあ確かに、現代フランス語では珍名となるということは、もともとラテン語や地方語が元になっていた、つまり歴史がある町や村ということで、小さくても魅力的だというのは納得できます。
それでも、こういう形で広めるというのは、フランスらしい粋とともに、辛辣なまでのユーモア精神を感じます。
この組織は2003年に設立され、現在40ほどの市町村が加入し、毎年恒例のイベントが行われています。
ただその町のトップの考え方により、脱会した町もありました。

 

加盟市町村の名を羅列し、そのどこが面白いか調べて書いてみました。
ただ自分の語学力では、調べるとっかかりもよくわからない市町村名もありました。
わかる範囲で、一部推測ですが、書いておきます。
 
Andouillé Andouilleアンドゥーイュ(豚の臓物の腸詰め)とは関係ないらしい《俗》能なし、まぬけ との意味もあり
ARNAC arnaque 《俗》詐欺、かたり、ペテン
ARNAC LA POSTE
BALLOTS (商品の)包み、荷《話》ばか、まぬけ
BEAUFOU fouが「気違い、狂人」よって「美しい狂人」
BELLEBRUNE 美しい褐色の人
BOURGOUGNAGUE
Bèze
BOUZILLÉ
CASSANIOUZE casanier(ère)で「出不精な人」というのはあったが…
CHANTEMERLE SUR LA SOIE
CLOCHEMERLE clocheが「鐘」とかという意味の他「まぬけ、とんま、役立たず、浮浪者、ルンペン」とかいう意味もあり
COCUMONT cocu(e)で「妻を寝とられた男、夫を寝とられた妻」
CORPS NUDS corps nu(裸の身体)
COUBISOU cou(首)bisou(キス)
CUCUGNAN 語調がユーモラスだから?
CUDOS
FOLLES fouと同じ意味
GRATELOUP gratter(ひっかく)loup(オオカミ)
LA BENISSON-DIEU 神の加護を祈りましょう
LATRONCHE tronche《俗》頭
LE QUIOU 誰?どこ?
LES LECHES Lèche《話》へつらい
LONGCOCHON 長豚
MARANS
MINJOCEBOS 「玉ねぎを食べる」から?
MONCRABEAU
MESSEIN 「私の乳房」
MONTETON 「私の乳首」
NOUVOITOU
PLUMAUDAN
POIL 毛
SAINT ARNAC これもarnaqueより。
SAINT BARBANT barbant《話》うんざりさせる、退屈な
SAINT-POMPON 聖ポンポン。「サンポンポン」この語感が素晴らしい。個人的には一番好きな町名(笑)
SIMPLÉ simple単純な、純真な
TRÉCON conばか、まぬけ。よって「大ばか」
VATAN
VIEILLEVIE 年老いた人生
VINSOBRES sobre酒を飲まない、節度のある、「酒を飲まないワイン」

 

(当協会のHPおよびwikiを参考にしました)