東京するめクラブ 地球のはぐれ方

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東京するめクラブ 地球のはぐれ方 表紙

 

東京するめクラブ 地球のはぐれ方
村上春樹 吉本由美 都築響一 著
文藝春秋 発行
2004年11月15日 第一刷発行

村上春樹さんを隊長とする、東京するめクラブが、名古屋・熱海・ハワイ・江の島・サハリン・清里を訪問し、独自の視点で書き、語っています。
表紙の安西水丸さんのイラストも呑気さに花を添えて(笑)います。
サハリンを描いた「サガレン」から、こちらの本にたどり着きました。するめクラブでは2003年に訪問していることもあり、それから15年ほど経た「サガレン」よりも更に、この地のワイルドさを感じます。
それでも夏の七月の訪問のため、サハリンの一番いい時期を味わえたようです。村上さんは以下のように書いています。

 

でもそこはとても素敵な世界の端っこである。こんな深い静けさの中に入ったのは、本当に久しぶりだ。僕は自分の身体の中のスイッチみたいなものを切り、その静けさの中に心を溶け込ませる。そこはとても安らかな世界だ。サハリンに来なかったら、こんなしんとした気持ちにはなれなかったかもしれない。遠くまで来ただけのことはあったな、と思う。地図を見れば、そんな遠くでもないのだけれどね。p280