アルルを守るムルグの塔

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ムルグの塔

画像はアルルの街の南東の角っこに位置する「ムルグの塔(Tour des Mourgues)」です。
アルルに残っている城壁と共に、古代から中世におけるアルルの姿を垣間見せてくれています。
この塔は紀元前1世紀末に建てられた、アルルにおける古代ローマの植民地時代での最初の建築物となります。
その時は円形の建物でしたが、おそらく14世紀に、今日見られるような多角型で下部が斜面になっている形になったようです。
ムルグの塔の名前の由来ですが、セザール司教が6世紀初めに設立した修道院の修道女から来ているようです。
その修道院は現在ではすぐ近くに存するサン・ブレーズ教会として残っています。
その頃アルルでは、476年にマルセイユとともに西ゴート族の手に落ちています。
しかしその後すぐにアルルは東ゴート族の支配となりました。
この塔を含む街の城壁は、古代ローマの平和な時代には一部開放的な場所もあったようですが、古代末期から中世にかけての動乱の時代には街を守るためしっかり補強されていたようです。
このような塔を見ていると、街を防衛する人たちの危機感をリアルに感じさせてくれますね。

(アルル市のHP 「ARLES patrimoine」を参考にしました)