ジャンヌダルクを探しに(シノン)

シュノンソーからトゥールに帰る電車が、30分ほど遅れてしまった。
トゥールからシノン行きが少し遅れてしまう。幸い、シノン行きの本数はまずまずあるので、問題はなさそうだ。
トゥールの観光案内所で、明日の予約をする。予定通り、午前午後、別々のバス旅行になる。きれいなお姉さんは愛想よく受付してくれたが、名前のつづりが分かりにくそうで、結局紙に書く。
予定より一本遅れた電車でシノンに向かう。シュノンソーとは逆で、西に行く。
電車は森のようなところも通っていく。木漏れ日がまぶしい。
50分ほどでシノン駅に着く。ここはちゃんとした駅である。
駅からてくてく、普通の住宅街を抜け城を目指す。
広場に出る。やっと城が見えてきた。
この広場にジャンヌダルクの像がある。ジャンヌダルクの像はフランス中あちこちにあり、それぞれに個性がある。シノンの像は馬で疾走している状態で、スピード感がある。馬は勢いよく後ろ足を跳ね上げている。
ジャンヌダルクはのけぞり、剣を前に出している。
広場を抜け、観光案内所で地図をもらう。
いよいよ城に入る。入り口には長方形の搭がある。ここは中は狭いが博物館になっており、ジャンヌダルクあたりの時代に関する展示を見学する。
上までのぼり、シノンの街並みを眺める。家々の屋根はほぼ黒に統一されて美しい。けばけばしい看板などない。ちゃんと街の条例などで規制されているのだろう。規制などというと、今の日本ではやたらめったら規制緩和で、悪いイメージがあるが、このような美しい街並み維持のためには本当に必要なことである。
街にひっつくようにヴィエンヌ川がのんびり流れ、遠くに平原が広がる。あいかわらず美しいフランスの平原である。
城の北に目を転じると、搭に掲げられている、ユリの紋章の旗がはためいている。
その向こうにはなだらかな山が広がっており、斜面を利用したぶどう畑がある。ここシノンのワインも結構有名である。
搭を出て、廃墟のような城本体に向かっていく。