#絵画

神戸のターナー展を見る以前に

昨日、神戸市立博物館で開催したターナー展に行ってきました。 幸い記念講演会にも参加でき、いろいろ思うところもあるのですが、まずはターナー展までのターナーのイメージを振り返って見たいです。 学生の頃、教科書で見た絵画「雨、蒸気、スピード-グレ…

乙女の美術史 世界編

乙女の美術史 世界編 堀江宏樹 滝乃みわこ 著 実業之日本社 発行 2011年11月30日 初版第1刷発行 自分のような野郎が本屋で買ったり、図書館で借りたりするのはちょっと恥ずかしい題名と表紙なのですが、内容はズケズケ書いてくれているので面白かったです…

恋する王様(名画で読み解く「世界史」より)

この絵は、アングルによる「グランド・オダリスク」です。 オダリスクとは、スルタンの寵愛を受ける女性のことです。 彼女たちはハレムにいましたが、その誘惑に負けて、スルタンもハレムに籠もりがちになってしまいました。そして女性たちが国政を操ったり…

ゴッホアルル時代の風景画、新たに発見

この時期はゴッホのアルル時代ですね。 7月の手紙に書かれているとのことですが、10月にはゴーガンがやってくるので、それも楽しみだったのでしょうね。 ただ結局彼らの生活は耳きり事件などで悲劇に終わります。 今なら凄い価値なのでしょうが、テオがせ…

ルノワールについて思うこと

印象派は総じて好きなのですが、その中でルノワールの絵画はそんなに熱心に見なかったように思います。 単なる個人的な好みに過ぎないのですが、その理由を考えてみると ①風景画より人物画が多い ②画風が女性的に感じる などでしょうか ヨーロッパ好きの自分…

名画で読み解く「聖書」(「ルツ」「荒野のイエス・キリスト」)

名画で読み解く「聖書」 大島力 監修 世界文化社 発行 2013年6月20日 初版第1刷発行 この本では、旧約聖書と新約聖書の物語を、名画で順を追いながらわかりやすく説明しています。 83の名画を紹介していますが、そのうち自分が初見で、なおかつ気になった…

世界の美術館・博物館、2012年来館者数トップ10

世界の美術館・博物館、2012年来館者数トップ10は次の通りです 1位 ルーブル美術館:972万人、仏パリ 2位 国立自然史博物館(National Museum of Natural History):760万人、米ワシントンD.C.(Washington D.C.) 3位 国立航空宇宙博物館(National Air an…

ラファエロ展 東京で開催

昨日、たまたま読売新聞を読んでいたら、東京でラファエロ展が開かれる広告を見てびっくりしました。 なにせ人気画家ですから、各地の美術館から借り上げてくるのがたいへんだったでしょうね。 フィレンツエやローマまで行って、ラファエロの作品を鑑賞しま…

モレの製粉所(シスレー作、モレ・スール・ロワン、フランス)

ロワン川の橋のたもとに行き、中州を写真に撮ります。 おそらくこの中州に、橋から降りていったようなおぼろげな記憶があります。 この橋はシスレーの時代には2、3の水車小屋(水力による製粉所)があったそうです。 上の作品はシスレーが1883年に描いた…

ロワン川の対岸にて(モレ・スール・ロワン、フランス)

パンとジュースを買って、再びロワン川沿岸に行きます。 この写真は今までとは反対の沿岸になります。 こちら側から見る、橋などの風景は地味ですね。 やはり教会の建物はシスレーの絵画の中でも目立ちますね。 まあそれでも、のんびりと流れる川と、水鳥を…

シスレーの描いたモレの教会

この写真は、モレ・スール・ロワンのノートルダム教会です。 シスレーはこの教会を14点描いたそうです。 天候や季節は変えても、角度は全て同じです。 現地で買ったパンフレットには、そのうち二点が載っていました。 この作品から真っ先に連想されるのは、…

20世紀美術 マチスを回顧する など

20世紀美術 宇佐美圭司 著 岩波新書337 1994年5月20日 第1刷発行 マチスの「ピアノのレッスン」 全体の半ば以上をおおったグレー・トーンが色を感じさせる。 色だけでなく形の省略の仕方、単純にするやり方が心憎い。 マチスの絵にはごちゃごちゃして整理に…

「イタリア・ルネサンス美術館」より「アテネの学堂」

イタリア・ルネサンス美術館 松浦弘明 著 東京堂出版 発行 2011年11月30日 初版発行 この本では、ルネサンス期の作品による、架空の美術館を設定しています。これにより作品の比較を容易に行えるようにし、よりわかりやすく解説しています。 合計35室あり…

カミーユ・ピサロと印象派 講演会より

現在開催されている「カミーユ・ピサロと印象派」展の講演会で聞いたことをメモっておきます。 「パティの眺め、ポントワーズ」で真ん中に小さく描かれた汽車。 ピサロの絵には田園のほかに、汽車や工場、そして市場の様子などがよく描かれている。 何気ない…

ピサロの本拠地 ポントワーズをたずねて③

カミーユ・ピサロ美術館を見終わり、丘を下ると、このような看板がありました。 ピサロの作品があった場所を、解説してくれています。日本語を含めているのがうれしいですね。 赤い丸のところが、この看板の場所です。 ここから画像的に言うと、まっすぐ上に…

カミーユ・ピサロ美術館とその公園(ポントワーズ②)

丘の上のカミーユ・ピサロ美術館にたどり着きます。 入り口にピサロらしい写真がありますね。 中に入ります。 建物自体は古そうなのですが、美術館自体は、1980.年に、ピサロ生誕150年を機に設立されました。 ここはポントワーズの別の美術館、タヴェ・ドラ…

「カミーユ・ピサロと印象派」展にて⑤

カミーユ・ピサロと印象派展より、この作品は「ロワイヤル橋とフロール館、曇り」です。 晩年、制作に不自由になった彼は、ホテルやアパルトマンから見えるパリの風景の作品を多く残しています。 今回の作品展では、この作品のほかに、カルーゼル橋やポンヌ…

「カミ―ユ・ピサロと印象派」展にて③

この絵は、ピサロによる「ポール=マルリーのセーヌ河、洗濯場」です。 ポールマルリーと言えば、シスレーの一連の作品「ポールマルリーの洪水」を思い出します。 それには洪水という災害にもかかわらず、どこかのんびりした風景が描かれていました。 その…

「カミーユ・ピサロと印象派展」にて②

この絵はピサロ作の「エルミタージュの眺め、グラット=コックの丘、ポントワーズ」(一部)です。 屋根の幾何学模様が面白いですね。セザンヌに続くものを感じます。 また背景の台地も、造形の妙となっています。 ポントワーズ周辺は、川と台地に挟まれた…

「カミーユ・ピサロと印象派」展での好企画

「カミーユ・ピサロと印象派」を見に、兵庫県立美術館に行ってきました。 一階でチケットを買い、エレベーターを使わずに階段で上がっていくと、展覧会場に入る前に・・・ このようなかわいいイラストと、ピサロさんによる語りが描かれたパネルがありました…

橋の上のパレード(モレ・シュル・ロワン、フランス)

ロワン運河との合流点から 再びロワン川のほとりに戻り 見つめる大聖堂と架かる橋 橋の上をよく見ると 何やらパレードらしき人の群れ 更によく見りゃ人だけでなく 動物らしき姿も見える これはいったい何なのか あわてて橋の上に向かう

静かなロワン運河(モレ・シュル・ロワン、フランス)

ロワン川の流れとともに 下流へ歩いていき ロワン運河との合流点に達する プロムナードに沿って ゆったりと水をたたえている運河 フランス各地では このような水の動線が 縦横につながれ フランス内部の海運を支えてきた 今となっては運送の機能は限られてい…

ロワン川のほとりにて(シスレー)

城門をぬけ 木組みの家のそばを通り ロワン川に架かる橋を渡り 対岸に達する ほぼこのあたりで ほぼ同じ方角で シスレーは絵画を残した 橋も大聖堂も ほんわりとした白い空も シスレーの時のまま

シスレーの絵画巡りの小冊子(モレ・シュル・ロワン、フランス)

城門の手前にあった 観光客用のアンフォルマシオン そこで村の地図をもらう ふとかたわらを見れば 画像のような シスレーに関する小冊子の見本版 パラパラめくると カラーの綺麗な装丁で シスレーが描いた所々を 丁寧に示している 値段は30フランなり これ…

「アテネの学堂」の背景(署名の間、ラファエッロの間)

「署名の間」の最後は「アテネの学堂」です。 この作品は、登場人物にしろ舞台にしろ、このラファエッロの間全体で、難しいことは抜きにして、いい意味で一番一般受けする作品であることは間違いないでしょう。 人物を見ていく前に、その背景を見てみます。…

コロー 名画に隠された謎を解く!

コロー 名画に隠された謎を解く! 高橋明也 著 中央公論新社 2008年6月10日 初版発行 「甘し国フランス」を絵画の中に表現するコロー。そんな彼の足跡を辿り、実際に描かれたその場所や建物を訪問する。著者が撮影した写真を絵画を見比べると、15…

マティスの極私的魅力について

美の20世紀⑤ マティス 2007年1月31日 初版発行 著者 パトリック・ベイド 監訳者 山梨俊夫 訳者 林 寿美 発行所 株式会社二玄社 現代絵画の苦手な自分でも、なぜかマティスは結構好きです。 その中でも「ピアノ・レッスン」が一番好きです。 その特…

西洋絵画のひみつ

西洋絵画のひみつ 藤原えりみ 著 いとう瞳 イラスト 2010年3月1日 初版第1刷発行 朝日出版社 西洋絵画の見方について、旧約・新約聖書、静物画・風景画、裸体画の言い訳、などなどの観点から、やさしく解説していただいてます。 穏やかな雰囲気のイ…

モンナ・リーザ

モンナ・リーザ ジュゼッペ・パッランティ 著 原田和夫 訳 一藝社 2005年12月25日 初版発行 モナリザの正体については、時にはスキャンダラスに、様々な説が唱えられています。 この本はその中で、古くからの正道の説である、リーザ・ゲラルディーニ…

ラファエロ画集

ラファエロ クリストフ・テーネス 著 タッシェン・ジャパン ラファエロについての画集・解説書。 たまたま図書館で借りていたのだが、ちょうど京都のボルゲーゼ展に行った時に売店で見つけたのでこれ幸と買ってしまった。 ラファエロの自画像集から始まり、…