2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

シエナの謎の頑丈な門

撮った写真を手がかりに いろいろ調べてみた結果 いかにもシエナの通人のように 書き綴ってはいるけれど 実際のところを白状すれば このあたりでは道に迷い 自分がどこにいるのかさえ よくわからなかった とりあえず通りを歩いていくと 眼前に迫る頑丈な門 …

シエナのトライアングル(サン・フランチェスコ教会)

少し向こうの高台に ちっちゃく見える別の教会 これは清貧を重んじた 聖フランチェスコに由来する サン・フランチェスコ教会 少し前に紹介した サン・ドメニコ教会と シエナの南に位置する サンタゴスティーノ教会と共に シエナの主要托鉢修道会の 一派を成…

サント・スピリト教会の丸天井(シエナ)

ユニコーンを意味する レオコルノ地区を過ぎて カンポ広場の形のような 貝殻を象徴とする ニッキオ地区に達する そのピスピーニ通り沿いに建てられた サント・スピリト教会 その丸天井は 巨大なインク壺の如し シエナの土色のインクで この街の歴史を 密かに…

中世と緑への入り口-プロヴァン(カオールの酒壺より)

引き続き「カオールの酒壺」より、プロヴァンについて。 プロヴァンは、12・13世紀には、国際的な大市が開かれ、喧騒と活気に満ち溢れていた。 しかし今では、中世都市がそのまま凍りつき、化石になったようにぎ然と立ち尽くしている。 各地から来た大勢…

ジャンヌダルクのシノンの夢(カオールの酒壺より)

引き続き「カオールの酒壺」より、「シノンの夢」と題されたエッセイより。 ここシノンでも、やはりジャンヌダルクが話題の中心で、1429年3月6日か9日に、城内の大広間でシャルル7世に会っているとのこと。 そのときジャンヌはたじろかず、延臣たち…

ジャンヌダルクも通過したオーセール(カオールの酒壺より)

引き続き「カオールの酒壺」の中から、「オーセールの孤独」と題するエッセイを取り上げる。 ここでは、主に、ジャンヌダルクについて叙述されている。 なんでも、ジャンヌは、この街を二度通過したらしい。 1度目は、シャルル7世となるべき人に会うため、…

シエナの泉の秘密

シエナの街角で その時は何気なく撮った泉の写真 帰国後写真を見ながら つらつら調べてみると 泉の存在はシエナには大きい意味を持ち なおかつシエナの中世からの地区制度に 深くかかわっている そのため泉を有する地区を象徴する動物を 装飾の中に配置して…

ツールドフランス ガッツポーズなき勝利

ツールドフランスも佳境を迎え、昨日も今日もアルプス越えである。 自転車でえっちらおっちら登っていくのは、いかにも大変そうである。 昨日のコースは、フランス・イタリア国境で、昔ハンニバルが越えた所よりもやや南くらいになるのだと思う。世界大戦時…

カオールの酒壺 歴史へのひとり旅

カオールの酒壺 歴史へのひとり旅 木村尚三郎 著 講談社 1983年5月10日 第1刷発行 著者の方は、欧州中世史を主に研究しておられる、著名な学者さんである。 この本では、難しい話は少なく、主にフランスのいろいろな街を訪れた時のショートエッセイ…

シエナの「白」(サン・マルティーノ教会)

シエナの中心ドゥオーモの表面は 白い大理石で覆われているけれども それ以外は土色の、ゴシック形式の建物が シエナを支配する そんな中でも たまに見かける白いバロック形式 16世紀に造られた サン・マルティーノ教会のファサード 巨大な白鳥のような ド…

ヘロドトス「歴史」(下)

ワイド版 岩波文庫 296 ヘロロドス 著 歴史(下) 松平千秋 訳 2008年4月16日 第1刷発行 ヘロドトスの歴史(下)では、ペルシャのギリシャ遠征の模様が語られる。 ペルシャ側の大群は、あたかも多国籍軍の如く多民族からなっており、兵力も膨大で…

シエナの塔とかすかな水色の空

入り組んだ迷路の中に ぽっかりと空いた空間に たどり着いてしまったかのように 再びカンポ広場に舞い戻ります マンジャの塔の背景には 青色までとはいかない 薄い水色をした シエナの冬の空が 雲の間にほんの少し 浮き上がっています

シエナの洗礼堂

ドゥオーモの正面から 後陣に周ると そこにも同じような 大理石のファサード これは14世紀初めに造られた いわゆる洗礼堂の 堂々とした姿 その上部には 教会の丸い窓が ちょこんと顔を覗かせている

ラファエルロ 神のごとき剽窃家

ラファエルロ 新潮美術文庫3 平成15年5月15日16刷 執筆者の若桑みどり氏はラファエロを「剽窃家」と呼んだ。しかしその形容詞には「神のごとき」とつけて。さらにゴーギャンまで引っ張り出してきて「芸術家は革命家になるか、剽窃家になるかのどちら…

シエナ、サンタ・マリア・スカラ救済院内部

切符売り場からさらに中に入ると きれいな美術館のような部屋もある一方 古の病院らしく はがれかけた壁がそのまま残っているような空間もあった 一部はまだ工事中 地下へ下りる階段のあたりでしゃべっている職員 イタリアより地中海を越えて さらに南の方の…

サンティシマ・アンヌンツイアータ教会のフレスコ画(シエナ)

サンタ・マリア・スカラ救済院の中に入り 切符売り場の横に 鮮やかなフレスコ画が描かれた サンティシマ・アンヌンツィアータ教会 地味なファサード、そして地味そうな場所からは 信じられないような 美しく壮大な祭壇 (写真は現地で買った日本語のガイドブ…

シエナのバールからサンタ・マリア・スカラ救済院へ

昼ごはんを食べようと 手軽なバールを覗き込む シエナの人妻風女性二人が店員で 一人は奥の壁を拭いている そして客は 常連客らしいおじいさんだけ なんとなくほっとした気分になり 入り込んで固いパンのサンドイッチと レモンティーを注文する 掃除はしばら…

シエナ・サンドメニコ教会全景

あっさりとした中に 深さを抱え込む教会を出て 再び迷い込むシエナの立体迷路 ふと開ける視界 サン・ドメニコ教会の全景が映る 教会に見られている自分も シエナのレンガのかけらと化す

礼拝堂を守る旗(サン・ドメニコ教会・シエナ)

身廊の右側にある 聖カテリーナの礼拝堂 聖女カテリーナの聖遺物の回りには 「アテネの学堂」を ラファエロと共同制作し 彼の後ろで ちゃっかりと自分も顔を覗かせている ソドマのフレスコ画などで うめられている この写真に写っている 聖遺物の右側の作品…