サン・テティエンヌ大聖堂の南塔そばの部分(ブールジュ、フランス)

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ブールジュのサン・テティエンヌ大聖堂

大聖堂の真後ろから、少し左に移動します。
全貌が見えてきました。
とんがり屋根の塔は南塔となります。
そのそばに別の建物のように見える部分がありますが、これは大聖堂に付随しています。
少し不自然な構造に感じます。
過去の歴史を調べてみると、14世紀初頭に南塔が傾いたため、脇を巨大な控え壁で補強したそうです。
その名残が補修工事を経て、現在の姿を導いているのかもしれません。
建物自体は壮大ですが、構造は脆弱なゴシック大聖堂ならではの改築史といえます。

 

(週刊ユネスコ世界遺産 第41号 を参考にしました)

ストラスブール市議選(市長選)の投票結果

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ストラスブール新市長当確のジャンヌ・バルスジアンさん
フランスの統一市議選(市長選)の第二回投票が終わりました。
全国的にはマクロン与党は落ち込み、緑の党が躍進という結果になりました。
パリは予想通り左派社会党のイダルゴさんが市長当確となりました。
ここでは緑の党躍進の象徴で、なおかつ自分にとってフランス第二の故郷であるストラスブールの投票結果を取りあげます。

 

第1回投票
Jeanne Barseghian
LVEC Europe Ecologie-Les Verts
STRASBOURG ECOLOGISTE & CITOYENNE 27.87 % 
13532 votes

Alain Fontanel
LUC Union du centre
100 % STRASBOURG 19.86 % 9642 votes

Catherine Trautmann
LSOC Parti socialiste
FAIRE ENSEMBLE STRASBOURG 19.77 % 9601 votes

Jean-Philippe Vetter
LUD Union de la droite
UN NOUVEAU SOUFFLE POUR STRASBOURG (LR - LES CENTRISTES - UDI) 18.26 % 8868 votes

Hombeline Du Parc
LRN Rassemblement National
RASSEMBLEMENT POUR STRASBOURG 6.27 % 3044 votes

 

第1回投票で既に欧州エコロジー緑の党が第1党になっています。
中道連合が2位。
元市長のカトリーヌ・トロットマン率いる社会党が3位
右派連合が4位で、マリーヌ・ルペンで知られる国民連合が5位になっています。
どの党も過半数に達していないため、第2回投票が行われました。
また有効投票数の10%に達していない国民連合は第2回投票に参加できません。
 
第2回投票の結果
47 élu·e·s
Jeanne Barseghian
LVEC Europe Ecologie-Les Verts
STRASBOURG ECOLOGISTE & CITOYENNE
41.7 % 21592 votes

11 élu·e·s
Alain Fontanel
LDVC Divers centre
Unis pour Strasbourg 34.95 % 18099 votes

7 élu·e·s
Catherine Trautmann
LSOC Parti socialiste
FAIRE ENSEMBLE STRASBOURG 23.33 % 12080 votes

 

第1党は引き続き欧州エコロジー緑の党となりました。
得票率は41.7%ですが、第1党はまず議席数の半分を獲得し、残り半分を最大平均法で配分するため、65議席の内47議席を獲得できます。
安定与党を作ることができる仕組みになっていますね。
ジャンヌさんは調子いい時のジャンヌ・ダルクの如く見事な勝ちっぷりです。
第2党は中道連合と右派連合が合体した中道諸派
合体できたことは大きいですが、緑の党の牙城を崩すことはできませんでした。
重鎮カトリーヌ・トロットマンさんの社会党緑の党と左派連合は組まず、3位に終わりました。
ストラスブールといえば、トロットマン市長による環境に配慮した大胆な都市改造で知られています。
緑の党が第1党になり更なる環境先進都市を目指すのでしょうが、経済との兼ね合いも気になるところです。
 
(画像及び結果はfranceinfoからです)

フランス地方選挙 緑の党が躍進

【パリ共同】フランスで新型コロナウイルスの流行により3月から延期された統一市区町村議会選(比例代表2回投票制)の第2回投票が28日、即日開票され、気候変動問題への関心の高まりで追い風のヨーロッパエコロジー緑の党(EELV)が躍進した。マクロン大統領の国政与党、共和国前進(REM)は各地で敗北。パリ市長は左派の現職女性が再選を決めた。地元メディアが報じた。  市区町村長は議員の互選で選出される。EELVは南東部グルノーブルの市長の座を維持した上、南部リヨン、東部ストラスブール、南西部ボルドー、中部トゥールなどの都市で次々と勝利した。

 

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ヨーロッパエコロジー緑の党の躍進が一目でわかる地図です。

Franceinfoからの引用です。

ブールジュのサン・テティエンヌ大聖堂の後陣(フランス))

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ブールジュのサン・テティエンヌ大聖堂後陣

古の写真でめぐるフランスシリーズ、前回のアミアンから引き続き、今回からブールジュになります。
ブールジュもアミアンと同じく世界遺産に登録された大聖堂で有名です。
ただアミアンのそれはノートルダム大聖堂なのに対し、ブールジュはサン・テティエンヌ大聖堂と呼ばれています。
大聖堂の名前は、その守護聖人が元になっています。
ノートルダム聖母マリアを表し、サン・テティエンヌは聖ステファヌスを表しています。
フランス国内における大聖堂の守護聖人の数は、聖母マリアの74が圧倒的に最も多く、次いでサン・ピエール(聖ぺテロ)の19、そして三位にこのサン・テティエンヌの13となっています。(文庫クセジュ 大聖堂 より)

アミアンがパリのほぼ真北なのに対し、ブールジュはパリのほぼ真南に位置します。
訪問日は2002年の2月です。パリのオーステルリッツ駅から電車で一度乗り換えて、二時間ちょっとかかっていました。
ブールジュの大聖堂に着き、まずその姿を、ストラスブール大通りあたりから、後陣に向けて撮っていました。
この角度だと、こじんまりとした建物に見えますが、果たしてその全貌は…。

19歳の現役大学生、フランスの村長に就任

【6月17日 AFP】フランスのユゴー・ビオレ(Hugo Biolley)氏は、母親と共に暮らす大学生。同国でこのたび行われた統一地方選で、18歳という若さで村長に選出され、注目を集めている。

(フランスの市町村長は議会議員から選ばれます。議員の被選挙権は満18歳以上であるため、議員に当選すれば村長になることも可能なわけです。)

 

 ビオレ氏を首長に選んだのは、同国南東部アルデシュ(Ardeche)県にあるバンジュー(Vinzieux)村。人口450人のこの村には学校も商店もないが、若き村長は地元の活性化に意欲を示している。
(人口450人の村なら、議席は11になると思います。) 

 

グルノーブル政治学院(Sciences Po Grenoble)の現役大学生で、19歳の誕生日を迎えたばかりのビオレ氏は「選挙活動が始まった直後から、集会で最大のテーマになったのが僕の年齢だった。どうやって自治体を運営していくんだ、予算を見たことはあるのか、などと聞かれた。時には人を見下したような質問もあった」と認めた。
(大学で実際に政治を勉強しているのだから心強いですね。理論と実践を同時に学べそうです。) 

 

自治体によっては、統一地方選の決選投票が今月28日に予定されているとはいえ、ビオレ氏が最年少の自治体首長になるのはほぼ確実とみられている。ただ同氏は、年齢のことは忘れさせたいと考えている。
(結局新型コロナのせいで決戦投票が6月28日まで伸びたのですね。) 

 

村の新体制発足に伴い退任する前助役(46)は、ビオレ氏を強く支持しており、「19歳の若者(が村長)と聞けば不安の声も上がって当然だが、ユゴーはとてもしっかりしていて、落ち着いている。どういう方向性を目指すのか、ビジョンを持っている」と話す。「学ばなければならないことはあるが、大きな能力を秘めている。私は心配していない」と期待を示している。
(こうした後ろ楯がいるのは心強いです。) 

 

一方、「有能そうだがちょっと若いと思う。そこだけだ」と語るのは、1995~2008年に村長を務めたジャンルイ・ボナルデル(Jean-Louis Bonnardel)氏(76)。「きちんとサポートされていれば大丈夫だとは思うが、若干未熟な印象はある。バンジュー村では多くの人々がそう言っている」と指摘している。
(実際に長年村長を務めた立場としては、不安に感じるのも当然でしょうね。) 

 

ビオレ氏はソーシャルネットワーク上で不快な言葉を目にすることはあるが、実力で人々を納得させようと決意を固めている。「プロジェクトをどんどん立ち上げていけば、ダイナミックさを認めてもらえると思う。お役所的な手続きにとらわれてもたもたするつもりはない」と話している。
(保守的な村をどう変えていくのか見所ですね。地方自治は民主主義の学校でもあり、今後の成果が気になります。またフランスは公職の兼任も認められていることもあり、今後この村長さんが、どういう経歴を経ていくのかも関心があります。)

ALLEZ AMIENSを見ながらアミアンを去る

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アミアンの駅前とサッカー横断幕
アミアンの大聖堂から駅前に戻ってきました。
現在は駅前広場は改装されて美しくなっているようですが、二十年前は画像のような感じでした。
駅の壁面にも、サッカーのアミアンチームを応援する横断幕が掲げられていました。
更に運航中のバスをふと見ると

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ALLEZ AMIENSと表示されたバス
バスの前面にさえALLEZ AMIENSと表示していました。
アミアン市民の熱い思いが伝わってきます。
しかしながら決勝戦は負けてしまい、残念な準優勝に終わってしまいました。
最近、アミアンが二部降格するというニュースが伝わってきました。
新型コロナの関係で一悶着あったようですが、どうやら降格確定したようです。
訪問した街、そしてたまたまサッカーで盛り上がっていた時でもあったので、愛着がわいて、我が事のように残念です。
来期の一部復活を願いつつ、アミアン旅行記を終わりにします。

アミアン大聖堂の歴史(フランス)

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アミアン大聖堂ファサード

いよいよアミアンともお別れ。
最後に大聖堂の正面を撮っていました。
白い、堂々とした姿です。
簡単にアミアン大聖堂の歴史を振り返ると

1206年頃 アミアンに聖遺物「洗礼者ヨハネの頭蓋」の一部が運びこまれる。
多くの巡礼者を集める。
1220年 アミアン大聖堂着工
1288年 主要部分が完成
15世紀初め 西正面の二つの塔が完成
16世紀 交差部の尖塔が完成

建築家ロベール・ド・リュザルシュらにより、巨大な大聖堂を68年ほどで造り上げました。
そして現在に至るまで、アミアンの象徴として、その優美で壮大な造形を地上に留めています。
その名残を惜しみながら、駅に向かっていきました。

(週刊ユネスコ世界遺産 No.82 を参考にしました)